削井部トピックス2

 雲仙火山の火道のコアを採取しました!!



 当社は、平成15年9月より雲仙科学掘削プロジェクトの火道掘削井USDP-4の掘削作業を行っており、平成16年7月6日に深度1,995.75mまで掘削し、掘削作業を終了しました。掘削作業は、坑井の傾斜方位のコントロールはもとより予定深度1,800mを深度1,995.75mまで掘削するなど、計画以上の実績を残すことができました。

 長崎県島原市にある雲仙火山は、1990年11月から約5年間噴火し巨大な溶岩ドームを形成し、溶岩ドームの崩壊により数多くの火砕流を発生させました。1991年6月には火砕流により多数の犠牲者を出し、土石流によっても多くの家屋が失われたことは、記憶に新しいと思います。この噴火のメカニズムを解明するため、1999年より雲仙科学掘削プロジェクトが行われています。

 当社では、このプロジェクトの中で最も技術的に困難な火道掘削井USDP-4掘削作業を、地熱エンジニアリング鰍ニJVを設立して受注し、JVの幹事会社として管理および施工を行いました。本井の目的は、マグマの通り道である火道を標高0mレベルで掘削し、同所のコアを採取することです。噴火停止後まだ間もない火山の火道部を掘削することは世界でも始めてです。

 掘削計画は、標高1,360mの雲仙火山の中段となる標高820m箇所に掘削機を設置し、同所より垂直に掘削を開始した後、坑井の傾斜と方位をコントロールしながら掘削を行うものです。地形や地質状況から、逸泥や軟質な火砕流堆積物と硬質な溶岩の互層による傾斜・方位コントロールへの影響、坑壁の崩壊、高温度等が考えられ、困難な掘削が予測されました。

 平成15年に行った浅部での掘削は、拡掘中の穴替りやカッティングスベッドの発生などのトラブルが発生しましたが、逸泥状態の中で掘削したのにもかかわらず計画どおりに行われ、深度824mまで掘削しました。坑井の傾斜・方位のコントロールも、計画どおりに施工でき、最大傾斜角は75度となりました。

 平成16年の掘削は、昨年掘削した深度から8-5/8インチ坑径で行い、深度1550mで7インチケーシングを設置し、以深の掘削を6-1/4インチ坑径で行い、予定深度1,800mを超え、深度1995mまで行いました。坑井の傾斜・方位のコントロールは、計画どおりに行われ、最大傾斜角75度を維持しながら掘削を行うことができました。また、6-1/4インチ坑径区間ではコアの採取を16回行い、雲仙火山の地質サンプルを多量に採取しました。

 このサンプルの中には、マグマの圧力により地層を割り進入したマグマから形成されたと考えられる「火山ガラス」や平成新山のマグマと考えられるものが含まれていました。

 当社が行いました掘削が、火山の噴火機構解明や火山防災に寄与できたことは、大変名誉なことと考えております。なお、掘削やコアの採取に使用したビットは、島原市の雲仙岳災害記念館に寄贈いたしました。

 火山岩質の地層で高傾斜井を掘削することができたことは、学術的に価値があるだけでなく、地熱発電所の既存の基地からの開発範囲を広げることができることを実証できたことから、地熱発電の開発にも寄与できる技術が得られたともいえます。また、この高傾斜掘削技術は、石油や地熱開発のみならず、雲仙USDP-4のような科学掘削、二酸化炭素地中貯留にも寄与できる技術です。


雲仙岳と掘削現場(小さな白い棒状の物がマストです)

2004年7月16日
毎日新聞
マグマの通り道は”きしめんの束”状




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USDP-4 坑跡図



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